第26章 再戦
ルナは、魔鏡氷晶の中に入ろうとしているナルトの肩を押さえた。
「レイ、何すんだってばよ⁉︎」
「ナルト、お前は頼むから、タズナさんの護衛をしててくれ。
影分身が使えるお前なら、再不斬の水分身が大量に襲って来ても、タズナさんを守りきれるだろう?」
ルナは自分のことを棚に上げて、ナルトの心をくすぐった。
するとナルトは、
「わかったってばよ!」
と言ってタズナの護衛に行った。
(はっはは、上手く行ったな。)
ルナはナルトの扱いにちょっと自信を持った。
「サスケ!」
「レイ!」
「俺は外から鏡を破壊しようとしてみるから、お前は中から攻撃しろ!」
「ああ!」
ルナは取り敢えず鏡を壊そうとしているフリをすることにした。
「火遁・豪龍火の術!」
ルナは龍を象った炎を弱めに吹いた。
当然鏡は溶けなかった。
サスケも、
「火遁・豪火球の術!」
と言って、鏡に炎を当てたが、当然溶けなかった。
「そんな火力では、この氷の鏡は溶けませんよ。」
白が鏡の中から言った。
「やっぱりダメか……」
ルナはあからさまに悔しがって見せた。
ルナがサスケの写輪眼開眼を待っている間、白はサスケを千本で攻撃していた。
みるみるうちに、サスケは傷だらけになった。
「この鏡は僕だけを映す鏡の反射を利用する移動術。僕のスピードから見れば、君達はまるで止まっているかのよう。」
白が鏡の中から言った。
カカシはその様子を見て、
(やはりな……)
と思った。
「まさかあの様な少年があんな術を体得していようとは……」
「!…あんな術……?」
サクラがカカシの言葉に反応した。
「血継限界だ!深き血の繋がり……超常個体の系譜……それのみによって子々孫々伝えられる類の術だ……」
カカシがサクラに解説した。
「じゃあ………」
「そう…言ってみりゃあこの俺の写輪眼と同種のもの……
……この俺をもってしても、コピーは不可能……破る方法も皆無……」
それを聞いてルナは、ナルトの代わりに喋った。
「だから何だ?それでもこんなところでくたばる訳にはいかない。
俺達には叶えねばならない夢がある。」
ルナの声はいつもにも増して冷静だった。