• テキストサイズ

神隠れの少女【NARUTO】

第25章 波の国


一生懸命なナルトを見てイナリが叫び出す。

「なんでそんなになるまで必死に頑張るんだよ⁉︎修業なんかしたってガトーの手下には敵いっこないんだ!

いくらカッコイイこと言って努力したって、本当に強いやつのまえじゃ弱いやつはやられちゃうんだ!」

それを聞いて皆が黙り込んだ。

ルナは笑いたくなるのを堪えた。

(強い⁉︎ガトーの部下が⁉︎笑わせるね!……おっと、ここ笑っちゃいけないとこだ……)


「うるせーなぁ、お前とは違うんだってばよ。」

ナルトは机にダラーっと腕と頭を乗せたまま言った。

イナリは泣きじゃくりながら更に叫ぶ。

「お前見てるとムカツクんだ!この国のこと何も知らない癖にでしゃばりやがって!

お前に僕の何がわかるんだ!辛いことなんか何も知らないでいつも楽しそうにヘラヘラやってるお前とは違うんだよ!」

イナリの言葉にナルトがピクッと反応した。


「……だから悲劇の主人公気取ってピーピー泣いてりゃいいってか………

……お前みたいな馬鹿はずっと泣いてろ!泣き虫ヤローが!」

ナルトはイナリをキッと睨みながら言った。

イナリはナルトの剣幕にビクッと怯えて、外に出て行ってしまった。


「ナルト!アンタちょっと言い過ぎよ!」

サクラが立ち上がって大声で言った。

「フン!」

ナルトもそう言ってどこかに行ってしまった。


(……そうでもないと思うけど?

………人生で両親を三回も亡くした私の気持ちが、君にわかるのかい、イナリ君?

まあ別に、三回とも幼くはなかったけどさ………)

ルナは心の中で呟いた。


なんとなく放っておけなかったカカシは、イナリの後を追って出て行った。
/ 826ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp