第25章 波の国
ルナはカカシが戻って来ないうちに、気晴らしのために夜の森に出掛け、高い木の枝に乗った。
(あー、すっごく嫌な気分。もー、ああいうのは他所でやって欲しい……ま、ホームステイしてるからしゃあないけど……………
このやな気分を晴らさないと、明日の作戦に支障がでるな………)
腹の中に、よくわからない不快なものがふつふつと湧いて来て、ルナは辟易した。
「ふっ……あはははははははははははははははははははははははっ!」
ルナはそれを笑うことで発散した。
「あははははははははははははっ…………うっ……くぅっ…………あぁっ……」
笑い声は、いつの間にか、悲しげな呻きに変わっていた。
同時に、ルナの目から、熱い涙が溢れた。
(私は弱い………それでも、サスケを守り抜かなくちゃあならない。
…………これが私に出来る最大の贖罪だから……私、転生してから、精神が全く成長してないな………)
ルナはしばらくその場でボーっとした。
カカシのチャクラを感じていたが、面倒なので無視した。
カカシは、イナリと話し終えた後、ルナの後を追った。
(レイ……こんな夜中に何処へ…………)
ルナが木に登った、とカカシが思うとすぐに、長く、不気味な笑い声がした。
(レイが笑っているのか?……やっぱりレイには、何かあるな…………)
と、笑い声はすぐに、悲しげな呻きに変わった。
(レイ……泣いているのか?……レイもまだ子供なんだな………そっとしておこう。)
カカシはルナにちょっと同情して、ルナが気がつかない(とカカシは思い込んでいる)うちにタズナの家へ帰った。