第25章 波の国
その後、ルナ、カカシ、サクラの三人は、タズナの家に帰った。
「……前々から超訊いておきたかったんじゃが……
……儂が任務の内容を偽ったのに、どうしてお前らはここにいてくれるんじゃ?」
タズナがカカシの背中の上から訊いた。
そのカカシは、タズナとサクラを身体の上に乗せて、片腕腕立て伏せをしていた。
ルナは、上に乗ってくれと言われたとき、『すみませんそんなこと出来ません勘弁して下さい!』
と、いつになく慌てて断って、今はカカシの横でボーっとしていた。
「義を見てせざるは勇なきなり。勇将の下に弱卒なし!
………先代の火影の教えです。これが忍の生き方……お金だけで忍は動くわけじゃありません。」
カカシが語った。
(俺の身体もほぼ復活したしな……)
カカシは復帰のメドを立てて、ふぅと息を吐き出した。
ルナはそれを聞いて、
(私はお金だけで動く抜け忍組織についこの間までいたけどね………カカシ先生ってば、面白いこと言っちゃって……
………と言うか、忍って別に正義の味方じゃないでしょ!
正義の味方は殺戮じゃなくて話し合いで解決するもんだよ………まあ、私は殺すけどね。正義なんて興味ないし。)
と思った。
その日の夜。
「へへ、二人とも……」
「てっぺんまで登ったぜ……」
(動けなくなるまでやるなってーのこのウスラトンカチ……)
ナルトとサスケが、泥塗れで帰って来た。
「よし!ナルト、サスケ、明日からお前らも、タズナさんの護衛につけ。」
カカシはほんの少し嬉しそうに言った。
「押忍‼︎」
ナルトはにっと笑うと、元気にそう言った。
(あ〜、明日か………まあ、適度に頑張ろーっと。)
ルナは一人、心の中で呟いた。