第25章 波の国
それから数日後。
今日、白とナルトが森の中で会うと知っているルナは、朝食前に森に出掛けた。
ルナが寝ているナルトを見つけると、ちょうど白がナルトの肩を叩こうとしてるところだった。
「ちょーっと待った待った。」
ルナは無声音で囁いた。
「あ……レイ君………」
(この子、本当に神出鬼没ですね………)
白は手を止めて言った。
「再不斬さんは元気か?」
「ええ、そろそろ元に戻りそうです。」
「そうか……こっちもそんな感じ。
あ、このことをカカシ先生に報告したりはしないから、安心して。」
ルナはそう言うと、パチっとウインクをした。
「はあ……」
(皇レイ君……なんだか、女の子みたいですね………)
白は自分のことを棚に上げて、チラッとそう思った。
「じゃ、お大事に!」
ナルトと白の邪魔をしたくなかったルナは、そう言ってその場を去った。
(こりゃ、原作通り、あとちょっとで来るな……さて、作戦を決行しよう。)
ルナは少し気合いを入れた。
タズナの家に帰っていると、サスケとすれ違った。
「……ん?レイか……」
「あ、サスケ、おはよう。」
「何しに来たんだ?お前に木登り修行は必要ないだろ。」
サスケはルナを訝しげに見て言った。
「はっはは、朝の散歩だよ。」
ルナは笑って誤魔化した。
「じゃ、サスケ、気をつけてな!」
ルナはそう言ってタズナの家に向かった。
「サクラ、組手しないか?」
朝食後、暇そうにしていたサクラに、ルナが声をかけた。
「レイ君……でも、タズナさんの護衛をしなくちゃ………」
「すぐ近くでやれば平気だよ。それに、強くなれば、サスケに修行に誘われるかもよ?」
ルナはサクラの心をくすぐった。
それを聞くと、サクラは俄然やる気になった。
「私、やるわ!」
「よし、決まりだな!」
ルナはそう言ってにっこり笑った。
二人は工事現場の片隅に移動した。
「じゃ、サクラ、いつでも来い!」
「ええ!行くわよ!」
サクラがルナに飛びかかって行き、修業が始まった。
二人はそのまま、一日中組手に打ち込んだ。