第25章 波の国
タズナが、ガトーが来てから町の大人が不抜けになったこと、建設中の橋は勇気の象徴であり、
必ず完成させねばならないということなどを教えてくれた。
(ガトー、ガトーね……どうする?別天神でも使う?
いやでも、そんなことしても手下が止まるとは限らないし、ガトーに直接会うのも難しいしな……
て言うか正体がバレる可能性があるから、そもそも却下だわ。
最優先はサスケの安全!
………ま、あくどい商売のバチが当たった、ってことで、死んでもらうか…………)
ルナはガトーの命をアッサリ見捨てた。
その日の夜。
ナルトとサスケが泥んこになって帰って来て、みんなで食事になった。
「いやー超楽しいわい!こんなに大勢で食事するのは久しぶりじゃな!」
ナルトとサスケは食事中まで、競争するようにガツガツと食べていた。
「おかわり!うっ……!」
そして、吐いた。
「ちょっと、吐くんなら食べるのやめなさいよ!」
サクラが椅子から立ち上がって怒鳴った。
「……いや食う!」
「我慢してでも食わなきゃ、早く強くなんねえんだからな!」
サスケとナルトは、そう言ってまたガツガツと食べ始めた。
(うんうん!けど吐くのは違うぞ♡)
カカシは二人の言葉に頷きながら思った。
「あれ、レイ、ぜーんぜん食べてないじゃあないの、どーしたの?」
あまり箸が進んでいないルナに、カカシが目をつけた。
「え、あー……」
(男に変化してるせいで多めに出て来たから、とは言えないしな……)
ルナは咄嗟に、無難な言い訳を考えた。
「俺、ちょっと胃弱いんです。ははははは……」
ルナは笑って誤魔化した。
「あ、そーなの……」
カカシはちょっとびっくりしたような顔で言った。
食後のお茶を飲んでいる時、サクラは迂闊にも破れた写真の話をし、イナリは出て行ってしまった。
(あーあ、サクラってば。ま、しょうがないか………)
ルナはイナリを追って外に出た。