第24章 Cランク任務
その時、水溜まりの中から、ゆらりと人影が現れた。
「一匹目。」
現れた人影が、カカシを引き裂いた(ようにルナ以外には見えた)。
「二匹目。」
鬼兄弟はナルトの背後に回り込み、ギザギザの鎖でナルトを引き裂こうとした。
サスケは飛び上がって素早くクナイを投げ、その鎖を木に固定した。
そのまま二人組の腕の上に飛び乗り、その腕を捻って、鎖を取り外す。
鬼兄弟は鎖が使えなくなると、武器のツメでタズナとナルトに襲いかかった。
ルナは瞬身でタズナの前に立って、自分から鬼兄弟の一人に飛びかかり、目にも止まらぬ速さで、その喉を掻っ切った。
その白い頰に飛んだ血を、ルナは手の甲で拭った。
(霧隠れの中忍はなかなかやるな……)
ルナは暗部時代にやった任務で見た木ノ葉の中忍が、完全にガイのお荷物になっていたことを思い出して思った。
その直後、カカシがナルトに襲いかかっていた方を取り押さえた。
「ぐおお!」
鬼兄弟の一人が呻いた。
ルナ以外は、カカシが生きていたことに驚きつつ、ホッとした。
「ナルト……直ぐに助けてやらなくて悪かったな。お前がここまで動けないとは思ってなかったからな。
取り敢えず、よくやった、サスケ。レイも、って……」
カカシはルナの前に鬼兄弟の一人が倒れて息絶えているのを見て片目を見開いた。
他の四人も、驚いて何も言えなかった。
ルナはそこでやっと、普通の下忍は躊躇なく殺しなんか出来ないということを思い出した。
(あ、まずい。)
「あー……ついうっかり。」
ルナは苦しい言い訳をした。
(うっかりで中忍を殺すなんて……レイは何者なんだ?)
カカシはルナを怪しんだ。
「ま、いいや……ナルト、そいつらの爪には毒が塗ってある。お前は早く毒抜きするする必要がある。」
カカシは、相手の二人組が霧隠れの中忍であり、従ってこれは下忍の任務ではないと言った。
「この任務は私達にはまだ早いわ!やめましょ!ナルトの毒を抜かなくちゃならないし…」
怖気づいたサクラは帰ろうと言い出した。
「んー……こりゃ荷が重いな!ナルトの治療ついでに、里へ戻るか。」
カカシの言葉にナルトは悔しくなって、手の甲にクナイを突き刺そうとした。