第22章 木ノ葉へ、再び
次の日は、手裏剣の実習があった。
ルナはサスケの番を今か今かと待っていた。
しかし、ナルトの方が先に順番が来た。
「次、うずまきナルト!」
「はい!サスケ、見てろってばよ!」
ナルトが手裏剣を投げた。
結果は……まあ、普通だった。
(……あ、うん。ノーコメント。これから色々強くなれるよ、頑張れ、ナルト!)
「次、うちはサスケ!」
「……はい。」
サスケは振りかぶって、手裏剣を投げた。
ストトトトッ
手裏剣は全部がど真ん中に刺さっていた。
ルナはそれを見て、
(サスケ……成長したなあ…………)
と、感動の涙を流したいのを堪えた。
くノ一の方からも歓声が上がり、ルナは昔、イタチとアカデミーに通っていたときにも、同じようなことがあったのを思い出した。
(おおー、流石兄弟。やっぱり、サスケもモッテモテだね〜)
当のサスケはくノ一達には目もくれず、ドヤ顔(にルナには見える)で列に戻って行った。
「次、皇レイ!」
「は、はい。」
ルナが涙を堪えている間に随分進んだようだ。
悪戯に本気を出して怪しまれたくなかったので、ちょっと適当に投げた。
ストトトトッ
結果、全ての手裏剣が、的の中心から真上に、均等に5cm離れた。
(なんかこれはこれで、怪しい……)
ルナはちょっと後悔した。
にも関わらず、その一瞬後、くノ一達の列からキャーッと黄色い歓声が上がり、ルナは昔同様、ビクッと身体を震わせた。
(びっくりした………外しまくったのに、なんで?)
ルナには、その訳はわからなかった。
(あいつ、手裏剣の腕は普通だな………いや……ワザとか?)
サスケは的の中心から均等にズレるという、ルナの不自然な手裏剣を見て思った。