第22章 木ノ葉へ、再び
サクラは商店街でお使いの真っ最中だった。
ルナはついでに野菜を買いながら、サクラに話しかけた。
「あれ、君、アカデミーにいなかったっけ?」
ルナはサラサラの黒髪を靡かせ、紅い瞳を瞬いて、必殺スマイルを繰り出した。
それが効いたのか、サクラは慌てた。
「えっ⁉︎あ、あの、はい、はい!そうです!」
(レイ君⁉︎超ラッキー!遠くから見ると色白でスタイル良くてカッコイイけど、近くで見ると、顔はカワイイかもっ!)
「お使いかい?大変そうだね。家まで持って行くよ。」
ルナはキラキラスマイルで手を差し出した。
「えっ⁉︎でも、悪いし……」
(て言うか、レイ君、細い……私の方が荷物持ってあげたいくらいなんだけど!)
「大丈夫大丈夫。俺今ちょっと暇だし。」
「そ、そう?じゃ、お願いするわ。」
(わ、私に気があるのかしら……いや、私が好きなのはサスケ君だけよ!)
サクラは要らぬ心配をしていた。
「ところで、君の名は?」
(なんて、知ってるけどねー。サクラも、五年ぶりか。みんな、大きくなっちゃったなぁ………)
ルナはわかりきっていることを訊いて、沈黙を破った。
「私、春野サクラ!これからよろしく!
レイ君、卒業試験直前に引っ越してくるなんて、大変ねー。」
「はは……色々あってね……」
「ふーん。」
(こんな変な時期に転校……きっと、余程の事情があるのよね……)
サクラは訊いて欲しくなさそうなのを見て、根掘り葉堀り訊くのはやめることにした。
サクラと話しながらサクラの家に着くと、丁度サクラの父親が出かけようとしているところだった。
「お、サクラ、お帰り……ん?見かけない顔だね。」
「こんにちは。昨日引っ越して来ました、皇レイです。よろしくお願いします。」
(Oh……すっごい頭……)
ルナはサクラが何か言う前に自己紹介し、一礼した。
「おーおお、礼儀正しいね。ま、サクラと仲良くしてやってくれ、ガッハッハ!」
「は、はい……」
「もうっ!お父さんたら!レイ君ありがとう!じゃあね!」
「うん、また明日、アカデミーで。」
ルナはそう言ってその場を離れた。
(ふーうぅ、イケメン演じきったな!)
と謎の満足感を携えて。