第22章 木ノ葉へ、再び
次の日、ルナはアカデミーで、自己紹介をしていた。
「名前は皇レイです。風の国から引っ越して来ました。短い間ですが、よろしくお願いします。」
そう言って丁寧にお辞儀をした。
サスケは興味なさそうにルナをチラ見した後、窓の外に目を向けた。
(あーあぁ、可愛げ無くなっちゃったなぁ、サスケ……まあ、私の責任でもあるしな…………)
ルナはサスケに笑顔が戻る日を、必ず来させようと思った。
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みんな割と歓迎してくれて、ルナは少し嬉しかった。
教官に席に着くよう言われて、ルナは煩くなさそうなシカマルの隣に座った。
「レイだっけ?まあ、よろしく。卒業試験直前に引っ越しなんて、変わってるなー、お前。」
「ははは……よろしく。君の名前は?」
「奈良シカマルだ。シカマルでいいぜ。」
「そうか。改めてよろしく。俺もレイでいいぞ。」
ルナはそう言って明るく笑った。
ルナはその日の授業をなるべく真面目に聞こうとしていた。
(あー、これ、めちゃ懐かしい……ダメだ……眠い…………)
ルナは手の甲を抓って、何とか意識を保った。
横に座っていたシカマルは、眠そうなルナを見て、
(レイってもしかして居眠りで退学になったんじゃねえの……)
と呆れていた。
アカデミーが終わった後、ルナはヒルゼンから例のアパートの鍵を受け取って、家に帰った。
五年前に通った道を、ルナが覚えていたなんて、奇跡に近かった。
部屋に入って、神隠れに置いてあった僅かばかりの荷物を口寄せして、生活感を出してみた。
「うーん、なかなか良い感じかも………」
部屋の調度を整えたルナは、ナルトに挨拶するべく、さっき買った菓子折りを持って、隣の部屋のドアを叩いた。