第19章 暁
「そんなんじゃねえ。冗談はここまでだ。」
角都が三人の前に立って言った。
「こりゃあジャシン様も喜びそうな生贄だ。」
飛段は角都の言葉も聞こえていないようで、飛び上がって鎌を振りかぶった。
その飛段の胸を角都の触手パンチが貫いた。
「ガハッ!」
「何だよもう終わりかよ。」
角都はつまらなそうに言った。
「角都さん、まだですよ!」
ルナが叫んだ。
「痛え……痛えじゃねえかよおおぉぉ!」
ルナの情報通り、飛段は不死身だった。
「神の裁き下してやるぜ!」
飛段は自分の血で、地面にジャシン教のマークを描いた。
「もういらねえんだよ!
……………さあ、儀式の始まりだぜ。」
飛段は自分を貫いていた角都の触手を引き千切り、角都の血を舐めた。
すると、飛段の顔に白黒の謎の模様が浮かんだ。
「全ての準備は整った。」
そして、飛段は自分の胸を、棒(ツボ押し用?)で刺し貫いた。
「うっ……テメエ………」
飛段が食らった傷が、角都に伝染した。
「きっ、気持ちいい!ジャシン様に栄光を!」
飛段は顔芸を披露しながら言った。
そして角都の心臓が一個潰れた。
「テメエよくもやってくれたな。」
角都は立ち上がって腹立たしそうに言った。
それをみて飛段は面食らった。
「オイオイ何で死なねえんだよ。」
その様子を、ルナとイタチと小南は、木の上から見ていた。
「どうやら、ルナちゃんの情報は、完璧みたいね。」
「そうだな。」
「はっはは、私もたまには役に立てたかな?」
「たまに、じゃないぞルナ。いつも助かっている。」
イタチはふっと笑って言った。
「ところで、何であいつは不死身なのかしら………」
小南が首をかしげる。
「わからんな。」
イタチは写輪眼で飛段を観察しながら言った。
「うーん、なんか、細胞一つ一つが凄く元気な感じ?
て言うか全身癌細胞とか?」
ルナにもはっきりとはわからなかった。