第19章 暁
数日後。
大蛇丸討伐から帰還したサソリとデイダラは、メンバーに報告をしていた。
「瓦礫の山をくまなく探したが、野郎の死体は見つからなかった。」
「もし生きてたらぜってぇオイラの手で殺してやる。だいたいあのデタラメな術は何だ?」
イタチがデイダラの疑問に答える。
「恐らく二代目火影が開発した穢土転生の術だ。死者を蘇らせ自分の意のままに操る。
殺そうにも殺せない。だから封印術を使うか力尽くで動きを拘束するしか無い。」
「今後大蛇丸に関して注意を払え。生きていれば何らかの動きがある筈だ。」
「普通あの爆発で死んでねえ筈がないんだがな、うん。」
「ここに来る奴はみんな普通じゃねえからな。」
サソリの言葉に、全員が無意識にルナをチラ見した。
そのときのルナは、わざと退屈そうに、ふわぁっと欠伸をしていた。
「不死身ということではもう一人現れたわ。」
小南が思い出したように言った。
「湯の国からの依頼だ。殺人鬼が現れたので退治してほしいそうだ。」
ペインが言った。
「あそこにも湯隠れの忍がいるじゃねえか。」
サソリがその情報に疑問を呈する。
「彼らでは殺せないそうなの。」
「じゃあそいつも大蛇丸の穢土何とかか?」
「さあな……よし、今回は編成を変えてメンバーを派遣する。
感知タイプの小南、不死身の角都、あとイタチが行ってくれ。」
(これは、飛段スカウトか………ちょっと心配だな…………)
ルナは影分身を置いて、後をつけることにした。
(小南ちゃんにバレるかもだけど……その時は、その時だ。)