第19章 暁
ルナは荒涼とした砂漠地帯へやって来た。
「ほら、ここなら、思う存分芸術を披露出来ますよ!」
ルナは半径1000m以内に人間らしきチャクラがないのを確認して言った。
「うん!そうだな!じゃ、いくぞ!
C3!」
ドッカーーーーン!
デイダラは虫っぽい形の起爆粘土を投げ、近くにあった大岩を見事に粉砕した。
「おおー凄い威力だ!」
「だろー?芸術とは、美しく儚く散る一瞬の美。つまり、芸術は爆発だ!」
デイダラは自信満々で言った。
「ところで、ルナはどんな術を使うんだ?」
デイダラは何故かちょっとそわそわして訊いてきた。
「え?私ですか?」
ルナは少し考え込んだ。
(命遁はダメだからな………あ、じゃあ、アレにしよう。)
「じゃ、よく見てて下さいね!
風遁・螺旋風砲・焔!」
ルナは指先に集めたチャクラと風に火遁の性質変化を加えた。
結果、ルナの指先には、グルグルと高速で回転する、直径10cmほどの赤い塊ができた。
ルナはそれを発射し、チャクラで操作して、500mほど先に着弾させた。
ドッガーーーーーーーーーーーン!
物凄い音がして、地面には直径100mくらいのクレーターが出来ていた。
デイダラは声も出なかった。
(ルナ………ナニモンだ?)
そんなデイダラの様子に気がつかず、ルナは、
「ちょっとやり過ぎましたかね!」
と言って、無邪気に笑った。
「じゃ、帰りましょうか。」
「あ、ああ、うん。」
デイダラはちょっとカクカクしていた。
ルナはデイダラの手を握って、アジトの自分の部屋に飛んだ。