第19章 暁
またまた数日後、デイダラがやって来た。
顔合わせが終わると、ルナはデイダラに話しかけてみた。
「あの……」
「ん?なんだお前、オイラより小さいな、うん!何歳だ?」
デイダラはルナを認めると、少し屈んで目線を合わせた。
「えと……七歳です。」
ルナは予想外にフレンドリーなデイダラにびっくりして、少し口籠ってから答えた。
「オイラは九歳だ、うん!お前も暁なのか?」
「私はただの居候。イタチ兄さんの妹なの。」
「あーあの嫌なやつか!うん。」
デイダラはプンプン怒り出してしまった。
「まあまあ、許してあげて?それより、デイダラさんはどんな術を使うの?」
ルナは分かりきっていることを訊いて、デイダラの気を逸らした。
「お、オイラの芸術が見たいのか?」
デイダラは途端に目を輝かせた。
「うん!」
ルナは無邪気にニカッと笑って言った。
「わっ、馬鹿っ………」
ペインが慌てていた。
もちろん、こんなところでデイダラの芸術を披露すれば、アジトは吹っ飛び、全員負傷する。
ルナがそれを忘れているわけがなかった。
「じゃ、リーダー、ちょっと出かけて来ますね。」
「おい、ルナ………」
「それじゃ!」
イタチが止めるのも聞かず、ルナはデイダラの手を握って、飛雷神で砂漠地帯へ飛んだ。
「イタチ、今のは、飛雷神の術か?」
ペインはルナとデイダラが瞬間的にいなくなったのに驚いて訊いた。
他のメンバーも呆然としていた。
「ああ。ま、ルナだからな。」
そう言いながらも、イタチはそわそわしていた。
(ルナ、行き先も告げずに………何処へ行ったんだ?)
イタチがそわそわして上の空なのに気づいて、暁のメンバーは、イタチに質問するのを諦めた。