第19章 暁
数日後、大蛇丸が暁を抜けた。
「大蛇丸が組織を裏切り出て行った。」
ペインが言った。
「ケッ、あの野郎やっぱりか。組織よりも自分のことを優先しやがった。」
サソリの傀儡が言った。
「大蛇丸をこのままにしておくつもりは無いが、今はメンバーが足りない。」
「ハイハイハイ!僕を入れてはどうでしょう?」
トビ(実はオビト)がトビ声で言った。
(ぶーっ!オビトのトビ声、変わりスギでしょ!)
ルナは笑いを必死に堪えた。
「すっこんでろ。」
「ハイ……」
サソリに邪険にされていた。
「ヤツが部下に使っているカブトってのは、俺の傀儡人形みたいなもんだ。すぐに隠れ場所をつかんでやる。」
サソリが言った。
「そう急ぐな。お前の相棒の目星はつけている。ソイツを仲間に引き入れてからだ。」
ルナはそれを聞いてデイダラが来るのを待ち遠しく思った。
数日後、鬼鮫がやって来た。
(顔がサメだ……怖い………)
ルナは鬼鮫の顔怖さに、部屋の隅で震えていた。
しかし、じっと自分を見つめている小さな存在に気づいた鬼鮫は、話しかけて来た。
「あなたも、暁のメンバーですか?」
「い、いえ………」
無表情なのか笑っているのかよくわからない鬼鮫に、ルナは曖昧に笑い返した。
「……鬼鮫、俺の妹のルナだ。」
困っているルナを、イタチが助けに来てくれた。
「おーおぉ、そうでしたか。これは失礼。」
鬼鮫はそう言って去って行った。
「ルナ、大丈夫か?」
「大丈夫。鬼鮫さんが良い人なのはわかってる。」
「そうか………」
イタチはそう言って表情を緩めた。