第18章 十六夜の月
ルナには月読が効かなかった。
「月読!」
ルナがそう言うと、ルナの神通眼にイタチと同じ模様が浮かび、クルクルと回る。
見ると、フガクとミコトは眠っていた。
(ルナが月読を使っているのか?)
イタチは混乱していた。
「フガクさん…ミコトさん…………」
二人を見るルナの目は、涙で濡れていた。
…ザシュッ……ザシュッ……
そうこうしているうちに、ルナがフガクとミコトを斬り殺した。
そして、ルナは気を失って崩れ落ちた。
「ルナ!」
イタチがルナを抱きとめると、ルナは気を失ったまま、
「ごめんなさい…ごめんなさい…………」
と呟き続けていた。
(ルナ…俺の代わりに………)
こうなっては、もうルナを連れて行く他無かった。
イタチはルナをおぶって、家から出た。
サスケを見つけたイタチは、十六夜の月を背に、
「愚かなる弟よ………オレを殺したくば怒れ…憎め! そして醜く生き延びるがいい。
逃げて、逃げて……生にしがみつくがいい。そしていつか、オレと同じ眼を持って、オレの前に来い!」
と言い、そしてフガクとミコト、ルナは俺が殺したと告げて幻術で眠らせた。
(サスケを連れて行くのは、危険過ぎる。)
イタチはサスケも連れて行きたい気持ちを抑え、マダラ(実はオビト)を探した。