第18章 十六夜の月
イタチは先ず、警務隊本部を襲撃した。
暗部に支給される刀で、手当たり次第に斬って斬って、斬りまくった。
「ぐわああ!」
「ぐはぁっ……」
「ううっ……」
すぐに、その場は血の海になり、さながら地獄絵図のようだった。
一族を一人殺すたび、イタチの心から何かが抜け落ちて行った。
イタチが警務隊本部を出ると、道の真ん中にフガクが立っていた。
「イタチ、この殺戮の先に何がある?
俺が見せた一族の将来とは違う結果を、お前は見せてくれるのか?」
フガクはいつものように腕組みをして言った。
「これが俺の見る里の先、一族の先だ。」
イタチは迷いなく言い切った。
「そうか、サスケとルナか………」
そう言ったフガクはポンと消えた。
影分身だったようだ。
(父さんが俺にとって最大の敵。万華鏡写輪眼同士の戦いになる。)
イタチは自分の家に向かった。
「こっちだ、罠などない、入って来い。」
フガクの声がした。
イタチが声のする方に向かうと、フガクとミコトが並んで正座していた。
「父さん………」
「俺の子と殺し合いはしたくない。
……………そうか、お前は向こうへついたか。」
「父さん母さん…俺は…………」
「わかっているわイタチ。」
「イタチ、最後に約束しろ。サ…………」
ガラッ
「ちょっと待った。」
ルナが突然、窓から入って来た。