第18章 十六夜の月
(里、一族、忍……戦いは生まれるべくして生まれるのか…………
里か、一族か……俺はどうすれば良い………………?)
イタチは高層建造物の屋根から、里を見渡し、物思いに耽っていた。
ふと横を見ると、アカデミーにいるサスケが見えた。
ナルトと組手をして、ケチョンケチョンにしたようだ。
サスケはナルトから顔を背けて、ツンツンしていた。
(サスケ……ルナ……………)
二人のことを思うと、イタチの中に温かい感情が満ちた。
(サスケとルナだけは…………)
イタチの心は決まった。
「アンタに協力してもらいたいことがある。」
イタチはマダラ(本当はオビト)に、うちは一族虐殺を手伝ってくれるよう依頼した。
マダラ(本当はオビト)の仮面は、まだ例のぐるぐるではなかった。
その様子を、イタチを尾行していたルナの影分身が見て、本体に報告に向かった。
(遂に、来たか。)
「本体、大変だよ!」
影分身が血相を変えて本体に言う。
「今日か。」
「うん!早く行きなよ!」
「なるべく急ぐ。」
影分身を消したルナは、今までで一番急いで標的の死体とアジトを灰にして、木ノ葉に帰った。
(行ってどうする?でも、それでも…………
……………やっぱり何もしないでいるなんてできない。)
ルナは中途半端な気持ちのまま、うちは地区にやって来た。