第17章 惨劇前夜、儚い平穏
「おーい、本体、いるかー?」
本体は暗殺を終えて、死体を回収しているところだった。
「お、影分身さん、ご苦労。」
「じゃね。」
ルナの本体は影分身から情報を受け取った。
(もう、あんまり時間がないか…………)
ルナは元標的達を念動力で積み上げながら思った。
(そういえば、私はどうしよう?)
ルナは自分の今後について、全く考えていなかったことに気がついた。
(イタチ兄さんについて行くか…サスケと一緒にいるか…………)
ルナは積み上げた死体に火をつけながら考えた。
(うーん…サスケはきっとやっていけるけど、イタチ兄さんはな…………病気になっちゃったらやだし。)
ルナはイタチと一緒に里を抜けて、イタチを守ることに決めた。
(サスケ、ごめんね。全て片付いたら、みんなで笑える日が、きっと来るから。)
死体が灰になると、また例によって例の如く、それを埋めて、手を合わせた。
(なんか、私、殺戮兵器みたいだな。)
今日の標的は五十人。
到底、一人に殺らせる人数ではない。
影分身を数体出して、何とか片付けた。
(力試しのつもりだろうか?)
ルナはちらっと思ったが、深く考えるのはやめた。
(木ノ葉を抜けるまでの辛抱だ。)
ルナは飛雷神で、木ノ葉に飛んだ。