第17章 惨劇前夜、儚い平穏
「なのに上層部はかつての亡霊におびえ俺たちを恐れて隔離している。
恐れるというのならば俺たちが君臨するほかない。」
「父さんが力づくで火影になるのか?」
「一族それを望むからだ。俺にはみんなを止められない。
だが力づくを避けるため万華鏡写輪眼を持っていることを隠している。」
「何故?」
「万華鏡写輪眼ならば九尾を操れる。それを知れば一族が更なることを望むからだ。見ろ!」
フガクは振り向くと、イタチに幻術をかけた。
うちは一族の三人組が、ナルトを拘束して連れて来た。
「人中力を連れて来ました。」
「やりましょう!」
「隊長ならやれます、隊長!」
フガクはナルト…の中にいる九尾に幻術をかけた。
咆哮をあげる九尾を背に、鳥居の上に立つフガク。
フガクの万華鏡に操られ、九尾による木ノ葉の破壊が開始した。
「そんな…………」
幻術から覚めたイタチは言った。
「一族の中には里に恨みを持つ者も多い。追い詰められればここまでやる。双方におびただしい血が流れるだろう。
だがイタチ、お前がいてくれれば…………」
フガクがイタチをじっと見た。
「ふいをついて上層部を拘束するのだ。わずかな戦闘は起きるだろうが、暗部のお前の協力があれば無血革命が成功する。」
「無血………革命…………?」
「お前は俺の子だ。頼む、一族を助けてくれ。」
イタチは返事を出来ずに俯いた。
(俺はどうすればいいんだろうな、シスイ………)
(フガクさんもフガクさんで大変だな……ま、取り敢えず報告に行くか。)
ルナの影分身は本体のところへ飛雷神で飛んだ。