第17章 惨劇前夜、儚い平穏
数日後、火影邸にて。
「うちは一族は木ノ葉に革命を起こす決意です。」
イタチは一族より、里を取った。
「事態は一刻を争う。ヤツらが事を起こす前にこちらから先手を打つのだ。」
ダンゾウが待ってましたとばかりに言う。
「うちははかつての戦友。力ではなく言葉で話しかけたい。わしが策を考える。」
ヒルゼンが言った。
(あなたにはもう何も期待してません!)
イタチにくっついていたルナの影分身は主張が弱すぎるヒルゼンにプリプリ怒っていた。
その後、イタチはダンゾウと一対一で話していた。
ルナの影分身が盗み聞きしていたが。
「火影はああ言っているが、いざとなれば木ノ葉を守るため動く。選択して欲しいのだ。
うちは側につきクーデターを起こして、家族とともに全滅するか。
我ら木ノ葉側につき、クーデター前に弟と妹だけを残してうちは全滅に協力するか。」
(うちは……全滅⁉︎)
イタチはそれを聞いて、顔には出さなかったが動揺した。
(ダンゾウ…………いつか必ず、この手で殺してやる。)
ルナの影分身は怒り心頭だった。
「この任務を任せられる忍はうちはと木ノ葉の二重スパイであるイタチ、お前をおいて他にない。この任務引き受けてくれるか?
……………それとも、妹にやらせるか?
お前の妹は聡いようだ。お前の代わりにやると言い出すかもしれんぞ?」
ダンゾウが史上最高の悪人顔をして言った。
(ルナに……?絶対ダメだ!)
「…………考えておきます。」
イタチはそう言ってダンゾウの前から去った。
イタチが帰宅すると、丁度ルナも帰ってきたところだった。
「あ、イタチ兄さん。」
「ルナ……」
イタチはすごく疲れた顔をしていて、ルナはイタチが何を聞いてきたのか、悟った。
(もう、あと数日だな……)
「イタチ兄さん、この先何があっても、私はイタチ兄さんの味方だよ。」
ルナはイタチの腰に抱きついた。
(ルナ……まさか、気づいて?)
イタチはそんな訳ないかと思い直し、
「ありがとう。俺もだよ、ルナ。」
と言ってルナを抱き締め返して、頭を撫でた。
あの日まで、残り僅か。