第17章 惨劇前夜、儚い平穏
その少し前。
イタチとフガクは、家の縁側でお互いに背を向けて立っていた。
「三日後、一族の会合があることは知っているな?会合の後、南賀ノ神社に一人で入ってこい。
暗部の部下は無しだ。」
「俺は明日から任務で里の外に出る。」
イタチはフガクの命令を却下しようとする。
「逃げるな。」
「逃げる?俺が何から?」
「うちはというお前の運命からだ。待っているぞ。」
フガクは疲れた声でそう言い残し、イタチとは逆方向に歩き去った。
イタチはその場にしばらく突っ立っていた。
(…………いよいよ、あの日が近くなってきたな。)
会話を聞いていた影分身は、このことを本体に報告に行った。
サスケの修行を見ていたルナに、消えた影分身から情報が伝わってきた。
(三日後に会合……てことは、うちは襲撃まで、あと一、二週間か………)
ルナは小さく溜息を吐いた。
この頃、ルナはこの状況に疲れて、流されるがままにしよう、と諦めてしまっていた。
(うちはの誇り、か……それを踏みにじって別天神でねじ伏せるのも、どうかと思うしな…………
考えてみれば、クーデターなんか企ててるうちはにも、非はあるし。
里がうちはを疑うのも、無理ないし。
九尾襲撃はオビトの仕業だし。
……………もー、ダメだ。)
ルナは考えることを放棄した。