第17章 惨劇前夜、儚い平穏
湖のある演習場に到着したルナとサスケは、修業の内容について相談していた。
「姉さん、今日は術を練習したい!」
サスケは無邪気に笑って言った。
「そっか。うーん………サスケは豪火球はもう使えるんだよね?」
「うん!」
サスケは少し誇らしげに言った。
「じゃあ、鳳仙花の術なんてどう?」
「ホウセンカの術?」
「そう!触ると弾ける、火の玉を吐き出す術なんだ。」
「面白そう!やりたい!」
サスケはやる気になったようだった。
「じゃあ、一回実演するね。
火遁・鳳仙花の術!」
ルナは口から火の玉を数個吐き出し、自在に操った。
火の玉に円陣を組ませ、クルクルと回して見せる。
「うわぁ。俺もできるようになる?」
サスケはそれを見て目を輝かせた。
「できるよ。必ず。」
ルナは自信を持って言い切った。
最後に、火の玉に手裏剣を投げ当てて、火の玉を弾けさせた。
印を教えると、サスケは真剣に練習し始めた。
ルナは、その間今日の任務について、少し考えていた。
(命遁で瞬殺、じゃつまんないからな……………
今日の標的は、風遁で切り刻んであげよう。)
ルナは残忍な笑みを浮かべて思った。
完全に日が暮れる前に修行を切り上げて、ルナとサスケは帰ってきた。
サスケは、まだ鳳仙花の術が使えないのを悔しがって、
「俺、明日も頑張るよ!」
と息巻いていた。
ルナはそんなサスケの頭をよしよしと撫でた。
(サスケは素直で可愛いなあ。)