第16章 うちはシスイ
次の日、イタチはうちはの三人組(名前は忘れた)に、シスイの遺書を見せられていた。
勿論、イタチが書いたものだが。
内容はこうだ。
『任務に疲れた。
このままではうちはに未来はない。
そして、オレにも……
これ以上"道"に背くことは出来ない。』
それをイタチに渡すと、うちはの三人組はイタチをジロリと睨んだ。
「………俺を疑ってるって訳か。」
イタチは写輪眼のまま三人を睨んで言った。
(低能……死ね………)
ルナはそのやりとりを、何も出来ずに隠れて聞いていた。
(ムカつくなあ、もう!)
頭の中はイタチと同じだったが。
…………ザッ……ザザッ…………ザッ……ザザッ……ザッ……ザッ……
「一族……一族……そういうアンタらは己の器の大きさを測り違え俺の器の深さを知らぬから、今そこに這いつくばってる。」
「シスイは最近のお前を監視していた……暗部に入って半年、お前の言動のおかしさは目に余る……お前は一体何を考えて……」
「組織に執着し一族に執着し名にも執着する……それは己を制約し己の器を決めつける忌むべきこと……
そしてまだ見ぬ……知らぬモノを恐れ憎しむ……………愚かしき事‼︎」
「やめろイタチ!………いい加減にしろ…どうしたと言うのだ一体…………」
「何もおかしくなどない……ただ、俺の器はこのくだらぬ一族に絶望している。」
「兄さんもうやめてよ!」
サスケが叫ぶ声がした。
(あーあぁ、イタチ兄さん思いっきりトラブってるな…………)
ルナは欣喜雀躍につけたチャクラ糸を通じて、イタチとさっきの三人組の様子を探りながら、溜息を吐いた。
(私が出て行ったって、何もできないし。むしろ余計こじれちゃうだろうし。)
ルナはこの件には関わらないことにして、自分の部屋でぎゅっと膝を抱えた。