第16章 うちはシスイ
その日の夜、任務中。
チッ……チッ……チッ……チッ……
ルナの千鳥が、抜け忍の胸を貫いた。
「それは雷切⁉︎貴様、木ノ葉のコピー忍者…………」
「……に見えますか?」
ルナは仮面の下でクスクスと笑って、腕を引っ込めた。
抜け忍がドサッと倒れた。
「は〜あぁ、殺しても殺しても湧いてきて……ハエみたい。」
ルナは殺した抜け忍をゴミを見るような目で見て、呟いた。
それは、運良くイタチには聞かれていなかった。
カカシはルナが突如雷切を使ったことに驚いていた。
(これが神隠れの末裔の実力……しかし、あの性格は…………?)
イタチがいるときには決して出さない、ルナの闇を垣間見た気がした。
敵を殲滅し、任務終了になった。
みんなが仮面を外して休憩していた。
「隊長の写輪眼は友から託されたと言っていましたね。」
「ああ、その想いと共にな。
……うちはシスイの件は俺も知っている。その何かか?」
カカシはイタチを横目で見て訊いた。
「いえ、大丈夫です。」
イタチの脳裏に、シスイの言葉が蘇る。
——————イタチ、この里を、うちはの名を、守ってくれ。
(シスイ、状況は悪くなった。俺は両方は守れそうもない………)
イタチは目を固くつむり、亡き(とイタチは思っている)友に向かって、心の中で呟いた。
ルナはイタチの苦しそうな顔を見て、シスイのことを教えたくなったが、なんとか抑えた。
(イタチ兄さん、ごめんね。
もうっ!シスイさんが無茶振りするから、イタチ兄さん病んじゃってるじゃん!)
今度神隠れに顔を出したら、シスイさんにお仕置きしよう、とルナは思った。