第16章 うちはシスイ
「まあ、こんなところじゃないですか?」
「ああ………」
シスイはさっき聞いたことを整理するのに忙しかった。
シスイが黙っていると、ルナが喋り出した。
「それで、シスイさんのこれからのことなんですけど…………」
「………ああ、そうだった。どう、しようか……」
(木ノ葉に戻るか?だがまた、ダンゾウに命を狙われないとも限らない。
そのとき……写輪眼なしの今の俺は、正直どこまで戦えるかわからない。
それに、俺が木ノ葉に帰還することで、ルナが今できることが里にバレてしまう。
そうすれば、今度はルナが危険に晒される……ダンゾウが見逃すわけがない。
死んだはずの俺を救い、眼まで再生させたルナを、里が敵視するか、利用しようとするかはわからんが……
どちらにせよそれは、ルナの立場を危うくすることにしかならないだろう。
いくらルナは強いとはいえ、木ノ葉と全面戦争するのは、流石に厳しいだろうし…………
もし、俺のせいで、ルナが傷つくようなことがあったら…………
…………………それだけはダメだ。)
シスイは少し考えた後、決意をもって言った。
「ルナ、俺をここに置いてくれ。」
「ふふ、シスイさんならそう言うと思ってましたよ。でも、ずっと閉じこもっている必要はありません。
ただ、里外での活動は、身元が割れない程度にして下さいね?」
(シスイさんが生きてるってバレたら、まーた面倒なことになるからな……ごめんなさい。勝手なこと言って。)
ルナはシスイに確認した。
「ああ。」
「じゃ、シスイさんの新居に案内します。」
ルナはまたシスイの手を握り、飛雷神で飛んだ。