第16章 うちはシスイ
その少し前。
「李蘭、那由他、どうやら今日が、アレが必要になる日みたいなんだ。」
『アレですか…では、私と那由他は、神隠れに移動して準備しています。』
「………わかった。」
『ルナ様は、シスイさんを神隠れまで連れて来られますか?』
「勿論。この間、里の前にクナイ刺しといたから、シスイさんが結界に弾かれてダメージを受けることも無いよ。
通行許可証の刻み方も、ちゃんとわかってるし。」
『流石ですね。それでは、作戦を開始しましょう。」
「うん………二人とも、頼んだよ?」
そしてルナは、初めて完全に一人で行動を開始した。
夕方。
ルナは迷彩隠れの術を使って、イタチを尾行していた。
勿論シスイを死なせないためだ。
李蘭と那由他には、木ノ葉の上層部にシスイの写輪眼を狙っている者がいて、
そいつの襲撃が今日になる可能性が高いと説明した。
襲撃を防げば良いのでは?とも言われたが、それではいつまでたっても相手は諦めない、と言って説き伏せた。
ちょっと強引だったが、協力してもらえて良かった、とルナは思っていた。
とても一人ではやり遂げられる気がしなかったためだ。