第16章 うちはシスイ
同時刻。
シスイとイタチは、森のそばの崖の前で密会していた。
「お前の率直な意見が聞きたい。フガクさんはどこまで本気だと思う?」
シスイはイタチに背を向けたまま言った。
「………本気とは?」
イタチがシスイの横に並んで訊く。
「……………クーデターだ。」
シスイが言わずもがなだというように言う。
「…………里がこのままならうちはも限界を迎えるだろう。」
イタチが淡々と告げた。
「………そうか…俺はその不信を払いたいと思っている。だが、お前は動かない方が良い。」
「……なぜだ?」
「……………警務部隊の一部がお前を疑っている。お前の監視を命じてきた。ルナについてはそうでも無いが。」
シスイはイタチの目をじっと見てそう言った。
それを聞いてイタチもシスイの目をじっと見た。
二人の間には重苦しい空気が流れた。
「クーデターが本当に計画されている場合、別天神をフガクさんに使うことになる。」
「そうか。」
「これから三代目に提案してくる。」
「……わかった。気をつけてな。」
シスイが先に木ノ葉に戻ることにして、イタチは暫く、あたりの景色を眺めていた。
真っ赤な夕陽が、もう殆ど沈みかかっていた。