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神隠れの少女【NARUTO】

第16章 うちはシスイ


「……姉さん?」

いつの間にか、サスケがルナの顔をジッと見ている。

気づくと、ルナの頰に一筋の涙が流れていた。

(…………いけない。)

「サスケ……ごめんね。」

ルナは自分の涙を誤魔化したくて、サスケを抱き締めた。

「姉さん…どうしちゃったの?」

(姉さんが泣くなんて………)

サスケにとって、ルナはイタチと並んで、憧れの的だった。

もっと強くなって、イタチとルナに追いつきたい、認めてもらいたいと思っていた。

強くて可愛い、かつ誰にでも好かれるルナの存在は、一家の関係性にまで影響を及ぼし、

今のフガクは、サスケに対する態度が少し軟化していたこともあるかもしれない。

そして最近のサスケは、より歳の近いルナの背中ばかり追いかけていた。

血の繋がらないルナを、"姉"と慕って。

そのルナが、いきなりポロポロ泣きだして、サスケは混乱した。

サスケは取り敢えず、赤子にするようにあやしてみるのだった。

「よしよし、姉さん、よしよし。」

「……サスケ?」

ルナは子供だと思っていたサスケに背中をポンポン叩かれて、ちょっと驚いた。

「……姉さん、泣かないで?俺がずっと一緒にいるから。」

なんて言ったら良いのかわからなくて、サスケはそう口走った。

それを聞いてルナは耳まで赤くなってしまった。

(アカデミーの同期のくノ一全員がキュン死しそうなセリフをサラッと………)

ルナは慌ててサスケから離れた。

「大丈夫だよ。ありがとう、サスケ。」

ルナは目をゴシゴシ擦ってから、パッと笑って言った。

五割は演技だが。


「そっか、良かった!……あれ、姉さん顔赤いよ?」

サスケは目聡くルナの赤面を指摘した。

「えーっと、これは……何でも無いよ。」

「………ふーん?」

ルナは何とかサスケの追及を逃れた。
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