第16章 うちはシスイ
任務を終えて家に帰ってくると、門の前にシスイが待っていた。
「イタチ、ちょっと付き合ってくれるか?」
「わかった。家に荷物を置いてくる。少し待っててくれ。」
「ああ。」
イタチは神妙に頷いた。
(いよいよか………)
ルナはシスイの真剣な顔を見て、話の内容に予想がついたので、何も言わなかった。
門をくぐると、サスケが駆け寄ってきた。
「兄さん、姉さん!任務終わったの?俺の修行に付き合ってよ!」
イタチはちょっと困った顔で、
「許せ、サスケ。急な呼び出しだ。」
と言った。それを聞いてぷうっと膨れるサスケに、ルナが声をかけた。
「私は大丈夫だよ!やろう!でも、暗くなる前に帰ろうね?」
するとサスケはニコニコしだした。
「うん!」
流石子供、切り替えが早い。
「じゃ、ルナ、サスケを頼んだぞ。 」
「うん、任せて!イタチ兄さんもあんまり遅くならないでね!」
「ああ。」
そう言ってイタチとシスイはどこかに行ってしまった。
ルナとサスケはとりあえず庭に移動した。
「じゃあ、サスケ、何しようか?」
「うーん、手裏剣の練習がしたいなあ!そうだ、姉さんの投げてるところ、見たい!良いでしょ〜?」
サスケがちょっと甘えたように言ってくる。
(うっ、可愛い!あざとい!まあいっか!)
ルナはサスケの可愛さに負けた。
「よーし、わかったよー。危ないから、ちょっと離れててね?」
「うん!」
考えてみれば、ルナがサスケの修行を見てあげたことは、あまりなかった。
いつもイタチと一緒だったし、ルナだけで見てあげるのは、もしかして初めてかもしれない。
イタチに引けを取らないコントロールを見せなくては、とルナは張り切った。
「じゃ、いくよー…はっ!」
ルナは両手に八枚の手裏剣を構え、一度に投げた。
タタタンッ
全ての手裏剣が的のど真ん中に刺さって、ルナは安堵した。
「姉さん、凄い!」
「えへへ……じゃあ、サスケも頑張ろう!」
「うん!」
サスケは元気いっぱいで言った。