第16章 うちはシスイ
任務の日、ルナとイタチは、コンピュータールームのようなところに連れて来られていた。
「隊長、この部屋は………」
イタチが、モニターが映している場所がどこなのか悟ったようだ。
「六年前、九尾事件のとき、里の上層部は、うちは一族の仕業だと疑った。
以来うちは地区は二十四時間監視が始まったのさ。」
イタチはカカシの言葉を聞いて少し厳しい表情をした。
ルナはと言うと、いつもの猫の仮面をして、部屋を観察していた。
監視カメラが、うちは地区を隅々まで記録している。
窓際には、望遠鏡を覗いている暗部もいた。
(何で望遠鏡……妙にアナログだな…………)
ルナは口には出さずに、心の中で独りごちた。
「家族や仲間を監視するんだ。シフトを変えてやっても良いが。」
カカシが二人を気遣った。
「構いません。疑われているのは一族でも感じています。
イタチはそう言って望遠鏡の一つを覗きだした。
「私も。」
ルナはモニターの前の席の一つに腰掛けた。
イタチは望遠鏡を覗くと、まず自宅の方を見てみた。
すると、ちょうど家から出てアカデミーに行くサスケが見えた。
「ふふっ。」
サスケがてくてくと歩いて行くのを見て、イタチは温かい笑みを浮かべた。
ルナの方は、うちは地区の平和な商店街や住宅街を見て、クーデターなんて起こさなければ良いのに、
と思って、微かに溜息をついた。
(私はどうすれば良い…………)
うちは一族襲撃事件は、後数ヵ月のうちに確実に起きるだろう。
うちはシスイ自殺事件に至っては、正確にはわからないが、後数週間のうちには起こるだろう。
ルナはイタチとダンゾウの動向から、目が離せなかった。