第15章 暗部の任務
その日は休みだったので、ルナは縁側に出て、ボーっとしていた。
昨日起こった出来事を思い出しているうちに、ルナは重要なことに気がついた。
それを確かめるため、里の外れの人気のない演習場に向かった。
「李蘭!出てきて!」
『かしこまりました。』
そう言って李蘭が出てきた。
「…………ルナ様、大丈夫ですか?」
李蘭が心配そうな顔で訊く。
だが今は、それどころではない。
「大丈夫大丈夫!それより、昨日神通眼の新しい能力を見つけた気がしたんだけど!」
「あ、そうでしたね。確か、岩が飛んできた時に。
…………………きっと、念動力の一種でしょう。」
「そっか、でも今の力じゃ、岩一個も支えられ無いんだよね。どうにかならない?」
「念動力は訓練で鍛えられます。今日はその訓練をしましょうか?」
「そうだね、そうしよう!でも、具体的に何をするの?」
「まず、軽いもの、小さなものを待ち上げる練習をしましょう。
それから、徐々に重いものに挑戦すれば良いのです。」
「なーるほど!じゃ、早速!」
ルナはそう言って神通眼を開いた。
一晩ぐっすり寝て休んだせいか、今日は疲労感を感じなかった。
そして、目の前にいる李蘭を凝視した。
すると、李蘭がふわっと浮き上がった。
「ルナ様!私で遊ばないで下さい!」
李蘭が慌てているのが面白くて、李蘭がもっともっと高く上がるよう、視線を移動させた。
「いけません!人の身体で遊んではいけませんよ!」
李蘭は50mくらいの高さから叫んだ。
「何ー?遠すぎて、よく聞こえなーい!」
ルナはもっと李蘭を持ち上げたかったが、怒られそうなのでやめて、ゆっくり下ろした。
「もう、ルナ様ったら!………でも、凄い進歩です。次は、あれを持ち上げてはいかがでしょうか?」
李蘭が地面に半分埋まっている岩を指差した。
「そうだね!やってみる!」
そう言ってルナはその岩をじっと見た。