第15章 暗部の任務
チュン、チュン
「ん……」
次の日の朝、ルナは鳥の鳴き声で目を覚ました。
(あれ、いつの間に………)
ルナは自分の部屋にいることに気づいて、頭に疑問符を浮かべた。
そして、昨日のことを思い出して、少し慌てた。
(あちゃー、やらかしたよ…………)
横を見ると、イタチがルナの手を握ったままうつらうつらしていた。
「イタチ兄さん、おはよう。」
と言って、ルナはイタチの肩を軽く叩いた。
「………あ、ルナ、おはよう。もう大丈夫なのか?」
イタチは寝ぼけつつも、心配してくれた。
「もう大丈夫だよ。それより、支度して、出勤しよう。」
「…………ルナ、そのことなんだが……」
「え、何?」
ルナはちょっと嫌な予感がした。
「……………ルナ、暗部を辞めてくれないか?」
イタチはルナを真っ直ぐ見つめて、真剣に言った。
「…………どうして?」
ルナの声は震えていた。
「それは……」
イタチは口籠もった。
「やっぱり、私は、邪魔だった?」
「違う!そうじゃなくて…………もう、これ以上、ルナに無理させたくないんだよ!」
イタチは珍しく、強い口調で言った。
「私だってそうだよ!」
ルナはいきなり起き上がって、激しく言った。
イタチはルナが大きな声で言ったので、少し驚いて黙った。
「私、知ってるよ。イタチ兄さんが、うちはと里の間に挟まれて、凄く苦労してるって!
だから、少しでも力になりたかったの!………ねえ、お願い。そばにいさせて…………」
ルナは目をうるうるさせて、泣きそうな顔で言った。
(参ったな………)
イタチはルナを説得するつもりだったが、こんな必死な顔をされては、それ以上何も言えなかった。