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神隠れの少女【NARUTO】

第15章 暗部の任務


その日の夜は、うちは一族の集会だった。




「イタチとルナが暗部入りした。上層部の傍で知り得ることが増えていく。」

フガクは、今はルナの養父ではなく、うちは一族の長として発言していた。

ルナは、うちは一族に何もしてあげられないことに対する罪悪感でいっぱいのまま、会合に出ていた。



イタチとルナはうちは一族数百人の中で立たされた。

「一族の悲願のため、全力を尽くします。」

そう言うイタチをシスイがすぐ横から頼もしそうに見上げていた。

「……………っ…」

ルナも何か言わなければ、と思ったが、言葉が出てこなかった。

(後、少しで…みんな…)


「…ルナ?」

「……っ……ぁ………………」

イタチが、ルナが真っ青になって震えているのに気づいて話しかけてくれたが、返事もできなかった。

(嫌だ…嫌だ…でも、クーデターを止めるのは殆ど不可能……………)


運命は変えられないのか、と思ったその時、ルナの脳内で、

うちは一族襲撃事件と、前世で自分の身に起こった惨劇が重なった。







横たわる愛しい人達。

漂う血の匂い。

荒らされた生家。

傷の痛み。

そして、死ぬ間際に見た、犯人の顔。

あいつは……………………







この世界に生まれてから、ずっと蓋をしてきた、忌まわしい記憶。

それが、今日初めて人を殺めた反動なのか、鮮明に蘇ってきて、ルナの精神は、バランスを崩してしまった。


「……っはぁ…っはぁ………っはぁ………………」

だんだん、呼吸をするのも苦しくなって、立っていられなくなり、ルナはその場に倒れこんだ。

「ルナ⁉︎」

イタチがルナを抱きとめて、鋭い声で名前を呼んだ。

ルナがいきなり倒れたので、うちは一族の者達はどよめいた。

シスイはルナの精神が尋常でないほど乱れているのに気づき、神隠れのことに関係があるのかもしれないと思って、

「イタチ、俺がルナを連れて行く。お前は引き続き会合に出席していろ。」

と言った。
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