第14章 暗部入隊
「それでは、始め!」
(はあ、どうして私だけが戦闘するはめに………)
まだあまり正体をさらけ出したくないルナは、適当に行こうと思った。
カカシは身長が50cmくらい違うルナにも、容赦なく飛びかかって来た。
そこでルナはカカシにウェイトで勝つという選択肢を与えないことにした。
「土遁・軽重岩の術!」
「なんだとっ?」
カカシの体重は、ルナと同じくらいになってしまった。
一撃一撃が軽いので、攻撃を受け止め続けるのは断然楽だった。
ルナが高度な術を使いこなし、カカシの攻撃を軽くいなしていることにイタチ以外の全員が驚いていた。
「おい、イタチ。あの子昔からあんなだったのか?」
暗部の一人が聞いてきた。
「ええ。二歳の時に、土流壁を使ってました。」
イタチがそう言うと、暗部達は気が遠くなった。
不意にカカシの左目が赤く染まった。
「ふっ、やるな、うちはルナ。だが、これはどうする?
雷切!」
カカシは手に雷遁のチャクラを集中させ、ルナに向かってきた。
「何⁉︎隊長が雷切を使った⁉︎」
「避けろ新入り、死んじまうぞ!」
イタチはこの試合の結末が読めてしまって、ため息を吐いた。
(ルナにそんな術が効くわけない。)
カカシの雷切がルナに当たった、と皆が思ったとき、カカシがルナをすり抜けた。
「何⁉︎」
「カカシさん…………どこを見ていらっしゃるんですか?」
実はこれは三年前にオビトに遭遇したとき、こっそりコピーしていた神威だった。
そして次の瞬間ルナは瞬身でカカシの背後に回り、
「まあ、ざっとこんなもんですかね。」
と、神威のことがバレないように、素早く神通眼を引っ込めて言った。
(カカシ先生には、もっと強くなって貰わないと困る。)
(うちはルナ………こいつ、何者だ?)
カカシはルナを訝しんだ。
ルナはカカシに思いっきり目をつけられたことには気づいていなかった。