第11章 "根"接触
「へえ、それで?」
ルナはククッと笑いながら訊いた。
その金色の双眼は爛々と輝き、今や明確な狂気を放っていた。
ルナの銀髪がそよ風に吹かれてサラサラと靡き、その姿に、他の三人は………
…………………恐ろしさと共に、神々しさを感じた。
「ルナ、もうやめろ!」
ルナの目に狂気を見たシスイは、ルナを遮り、その小さ過ぎる身体をきつく抱き締めた。
「………どうして?」
いつの間にかルナの声は震えていた。
「私は呪われた一族の末裔なんですよ!私のせいで…………里人数万人も、双子の妹だって!
みんなみんな、私の犠牲になったんですよ!私がみんなを殺したんです!軽蔑しないんですか⁉︎」
ルナは大粒の涙を流して、叫ぶように言った。
なぜこんな話になったのか、ルナにはもうわからなかった。
李蘭と那由他は、目を伏せることしかできずにいる。
「………ならねえよ!」
シスイはルナを慰めたくて、力強く言った。
「どう…して………?」
ルナはシスイの腕の中からシスイを見上げて訊いた。
「俺だって、同じだ。いや、全ての忍が、お前の一族と同じなんだよ。
お前の両親は、一番大事なものが、里じゃなくてお前だっただけだ。」
「でも……」
「だから、ルナ、胸を張って生きろ!」
「シスイさん……」
ルナはシスイの胸で静かに泣いた。
真珠のように光るルナの涙が、シスイの心も濡らしていった。
(ルナ……今までずっと、罪悪感に苦しんで来たのか……………
イタチに拘っているのは、姉妹を守れなかった罪滅ぼしなのかもしれないな………
まだ四歳なのに、なんて酷い……何故ルナがこんな目に…………)