第11章 "根"接触
「うーん、わかった!もうすぐご飯だから、早くね!」
サスケは素直に、シスイが玄関に降ろしたイタチを任されてくれた。
「うん、大丈夫だよ!じゃあ、言って来るね!」
ルナは明るい笑顔で手を振り、シスイと共に、家から出た。
シスイはその笑顔を見て、さっきの雰囲気との違いに驚いた。
(ルナは、サスケ君の前では暗い自分を出さないんだな………)
「では、シスイさん、心の準備はよろしいですか?」
外で待っていた李蘭が訊いた。
シスイが黙って頷くと、ルナはぽつりぽつりと、話し始めた。
そしてルナは、ヒルゼンにしたように、神隠れ滅亡について打ち明けた。
「ちょっと頭が混乱してきた……」
シスイは頭を抱えて呟いた。
(ルナの先祖は、異世界人……?でもって、生贄になるために、ルナは生まれた……?
それを防ぐために、両親は犠牲に……結果、ルナは母方の実家、うちはに身を寄せざるを得なくなった……
………なんというか、凄い両親だな………)
「そうでしょう?でも、一つ言えることがある。」
「お前の一族、神皇一族は………」
シスイはそこから先を言うことができなかった。
「……愛する者を生かすために、手段を選ばない。今の私そのものですよね。
………ねえ、李蘭。私が里を出たときの神隠れの人口は?」
ルナはいきなり、李蘭に訊いた。
「ざっと数万でしょうか。」
李蘭が若干答えづらそうに言った。
「そんなにたくさん……」
シスイは驚愕している。
「ここで問題です。本当に、お父さんとお母さんだけで、数万人も殺せたと思いますか?」
ルナは答えが分かりきっている問いを、シスイに投げかけた。
「…………一晩じゃ、不可能だ。」
シスイが言い切った。
「シスイさんもそう思いますよね…ねえ、李蘭、那由他。」
いつの間にかルナの声が毒を持っている。
その目がギロリ、と二人を見た。
「ルナ様……感づいておいででしたか。」
「ああ、そうだ。俺達はルナが火影邸で寝ちまったあと、一度神隠れに戻ったんだ。」
李蘭と那由他は、観念したように言った。