第11章 "根"接触

イタチが眠ると、シスイは何気ない風を装って、ルナに質問してきた。

「そう言えば、ルナはいつ医療忍術なんて身につけたんだ？」

「実は、医療忍術じゃなくて、血継限界の一種なんですよ。生命エネルギーやチャクラのコントロールが専門の。」

ルナはシスイを信用していたため、血継限界のことをあっさりバラした。

「ほう……あともう一つ、戦闘中に聞こえた笑い声、あれはルナか？」

シスイはルナの答えに驚きながらも、質問を続けた。

「ありゃりゃ、聞こえてましたか。」

ルナは頭を掻いて、苦笑いした。

「やっぱりルナか……何が可笑しかった？」

「シスイさん、あの暗部と同じこと言うんですね。そんなに私が怪しいですか？」

ルナはまっすぐシスイを見た。

シスイもルナを見た。

ルナはシスイから目を離さずに続けた。

「だって………あの暗部達が、天誅なんて言うもんですから、もう、可笑しくって可笑しくって！」

思い出すだけで笑えて来て、ルナは口元に手を当てて、クスクスと笑った。


「………どう言う意味だ？」

シスイが怪訝そうに訊いた。

「あの暗部達に、神に代わって罰を下す権利なんて無いってことですよ。ふっ……」

ルナは唇を噛み締めて、笑いを堪えた。


「そうか、それなら良かった。一瞬、ルナが俺の知ってるルナじゃなくなったような気がしてさ。」

シスイは少しホッとしているようだった。

さっきのルナの笑い声に、狂った何かを感じたような気がしたからだ。

(ルナには、俺の知らない何かが、まだきっと、あるんだろうな………)


「なんだ、そんなことですか。」

ルナは軽く言ったが、その胸中はそこまで穏やかでは無かった。

(ああもう、打ち明けてしまいたい。)