第11章 "根"接触
やっと監視の上忍達がやってきた。
「シスイ、状況は?」
シスイが一部始終を説明した。
「なるほど、戦闘はあったが演習の一環だと思っていたということか。」
「すみません。その者たちは殊の外強く、下忍を守るのが精一杯で、素性までは……」
ルナにはシスイがしれっと嘘をついたのが、なぜか面白かった。
「いや、その者達の潜入を防げなかった我らにこそ非はある。
何より無事でよかった。今回の演習はこれにて終了だ。」
監視の上忍が言った。
「いたた…」
イタチがいきなりしゃがみこんだ。
「ハハ……捻挫だな?写輪眼を開眼したての頃は、先読みの脳のイメージと、身体の反応速度に若干のズレが出ることがある。
その僅かな誤差を埋めようと必要以上に無理をさせるとこうなる。」
「大袈裟だって。」
ルナはシスイがイタチにテーピングをしているのを微笑ましく思って、何も言わなかった。
イタチも上忍達がいる手前、ルナに治療してとは言えなかった。
「いくら優秀だからって無理をするな。イタチ。
………そう言えば、ルナは大丈夫か?一人倒してたみたいだが……」
シスイは一応、ルナに訊いた。
「はい。大丈夫です。」
ルナはその場でくるっと回った。
「本当か?………うん、確かに擦り傷もない。」
シスイはルナの全身を見て言った。
それを聞いたイタチが僅かにため息を吐いた。
(ルナは擦り傷も負ってない上に一人倒したのに、俺は捻挫…………)