第11章 "根"接触
ルナがサーモグラフィーで足跡を辿って鳥の面の暗部を見つけると、ちょうど狐の面の暗部が投げた千本が飛んできたところだった。
「危ない!」
ルナはクナイを投げ、間一髪のところで千本を弾き飛ばした。
「ふー。セーフッ!」
「おや、君は……」
鳥の面の暗部は、何かを言いかけた。
「今から貴方を治療します!」
ルナはそう言ってしゃがみこんだ。
「いや、この糸には毒があるようだ。触らないほうがいい。それに、毒を抜かなくちゃならん。」
鳥の面の暗部は、首を横に振って言った。
「大丈夫です!ではまず、毒を抜きますよ。
水遁・水蚊の術!」
ルナは神通眼でチャクラの乱れを検出し、鳥の面の暗部の身体から、毒を吸い取った。
「驚いたな、君は……」
鳥の面の暗部は、また何かを言いかけた。
「お話は後でお願いします。次、行きますよ!」
(命遁・傷滅再生!)
ルナは鳥の面の暗部の腕と足の傷を治した。
「君は……」
何かを言いかけた鳥の面の暗部をまたもやルナは遮った。
「私が今使った術のことは、内緒にして下さい……火影様にも。」
ルナが少し殺気を飛ばしながら言うと、鳥の面の暗部は頷いてくれた。
そして、ずっとお預けを食らっていたことを、遂に言った。
「君はもしかして、あの史上最年少の忍、うちはルナじゃないか?」
「さあ、どうでしょう?」
ルナは軽く誤魔化した。
「隠さなくてもいい。だって、銀髪のうちは一族は君だけだからな。」
「はあ…そうですか……」
(服の家紋でバレたか………)
ルナは胸の中で溜息を吐いた。
「にしても、噂は本当だったな。」
鳥の面の暗部は思い出したように言った。
「……?何のことでしょう?」
ルナには何のことだかわからなかった。
「いや、なんでもない。」
「はあ……」
ルナはもやっとしたが、追及することはしなかった。