第11章 "根"接触
そして戦闘が始まった。
ルナはイタチとシスイの実力を信用していたので、
さっきいなくなった鳥の面の暗部の護衛でもしようかと思っていた。が、
「待て、そこの銀髪のチビ!どこへ行く!」
虎の面の暗部が襲いかかってきた。
ルナは銀髪のチビ呼ばわりにイラっと来たので、少し戦うことにした。
虎の面の暗部はなんか変な盾を腕につけて戦っていて、なんだか面白かった。
「小娘、お前の名はなんだ?」
不意に、虎の面の暗部がルナのクナイを盾で受け止めながら訊いた。
「ふっ…あはははははははははははははは!」
ルナはさっき抑えていた笑いを、やっと解放した。
「何が可笑しい!」
ルナの突然の大笑いに、虎の面の暗部は激昂した。
「ごめんなさい。貴方達が天誅なんて仰ってたからつい……それと私の名前?私は、ただの下忍です。」
ルナは虎の面の暗部の後頭部に蹴りを入れながら言った。
「ぐっ……お前、タダの下忍じゃないだろう。」
虎の面の暗部は、面の下からルナをギロリ、と睨んだ。
「さあね。どうでしょう?」
そう言いながらもルナは鳥の面の暗部の身が心配になってきた。
「……そろそろ時間切れです。行きますよ!」
(命遁・死神之舞!)
ルナの身体から発生した黒く輝く命遁チャクラが、鎌の形を成し、神速で虎の面の暗部に襲いかかった。
それは、虎の面の暗部を切り裂く代わりに、そのチャクラの大部分を刈り取った。
虎の面の暗部は、チャクラを大量に吸い取られ、その場に崩れ落ちた。
「お……まえ……なに……ものだ………?」
虎の面の暗部は愕然として訊いた。
「だからさあ、ただの下忍だってもうさっき言ったじゃないですかー。
死にはしないので、安心して下さい。それじゃ。」
そう言ってルナは鳥の面の暗部を探しに行った。
虎の面の暗部は、一歩も動けず、
「こりゃあ、ダンゾウ様に目をつけられる訳だ……」
と呟き、にやりと笑った。