第11章 "根"接触
「我らは里の裏切り者を追っている。」
熊の面の暗部が言った。
「この者が裏切り者だと言う証拠は?」
シスイは暗部三人を前にしても、堂々としていた。
「その者が裏切り者だというわけではない。だが、裏切りの証拠となる巻物を持っている。
それを渡しさえすれば我らは消えよう。」
虎の面の暗部が言った。
「ああ言っているが?」
シスイは後ろに倒れている鳥の面の暗部に訊いた。
「ッ…情報を得てそれでどうする?」
「里に仇なすものには天誅を下す。我ら闇の掟ににより木ノ葉の秩序を正すんだよ!」
虎の面の暗部が偉そうに言った。
これを聞いてルナは笑いを必死に堪えた。
(なんか変なの来たと思ったら、天誅ですか!何様なんですか⁉︎)
「お前達に裁く権利などない!この密書は火影様に渡す。火影様が公正な裁きを下してくださるのだ!」
鳥の面の暗部が叫ぶように言った。
「公正な裁きだって?何をぬるいことを。里を裏切れば死と決まっている。」
「裏切る側にも理由がある!それを正しく精査するのが火影様の意向なのだ!」
話し合いは出来そうもなかった。
(それも一つの考え方。しかし、事は里全体に及ぶ話だ。一人の裏切り者と里とでは重みが違う。
シスイなら…………)
イタチはシスイが下す決断を予想した。