第11章 "根"接触
暫くすると、シスイは満足したのか、ルナを解放し、一瞬で焚き火を消した。
「最後の演習が始まるぞ。」
シスイがそう宣言した。
近くに物音がしたので見てみると、鳥の面を被った、怪我をした暗部がいた。
しかし、すぐ近くに別の気配を感じたので、ルナはすぐにこの暗部を治療する訳にはいかなかった。
「及ばずながら加勢する!」
そう言ったシスイと共に、イタチとルナは鳥の面の暗部を庇うように、もう一つの気配に立ち向かった。
すると、暗闇に、白い面が三つ現れた。
「これも演習?」
イタチが小さな声で訊いた。
「それはひとまず忘れろ。」
シスイは根の忍と睨み合いながら言った。
「根か………」
ルナが呟いたのにイタチが微かに反応した。
(ルナは、根の存在を知っていたのか………)
「なぜ同じ木ノ葉同士で争う⁉︎」
シスイが訊いた。
「何も見なかったことにして立ち去ってはもらえぬか?」
狐の面の暗部はシスイの質問には答えずに言った。