第11章 "根"接触
「……………」
しかし、しばらくして、イタチは黙り込んでしまった。
(でも、俺が本当に優秀なら、ルナはあんな目に遭わなかった。)
自分が写輪眼を開眼した日のことが頭に浮かんで、イタチはゾッとし、あのときに感じた、自分の無力さ、絶望感を鮮明に思い出した。
「イタチ兄さん、イタチ兄さんのせいじゃないよ………」
(私がわざとやったんだよ………)
ルナはイタチの考えていることを察して呟いた。
「やっぱり俺はまだまだ未熟なんだ。そんな俺が……」
シスイはそう言うイタチを見つめながら、ルナの発言の意味を考えた。
(やはり、何かあったか………)
「俺、写輪眼を開眼したんだ。」
イタチは遂に告白した。
「そうか、それでか。」
シスイは納得したように言った。
「どういう意味だ?」
「お前は自分を騙すのがうまいからな。だから自分の本心に気づけないのさ。
…………家に居たくなかったんだろ?そういう顔をしていたよ。」
イタチはそう言われてハッと目を見開いた。
(シスイは最初から俺の気持ちに気づいていたんだ。)
「あれ、じゃあなんで私を呼んだんです?」
疑問が浮かんだルナは、自分を指差して首を傾げた。
「それは………………その………ルナのことをもっと知りたくてな。」
そう言ったシスイの顔は少し赤く見えた。