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神隠れの少女【NARUTO】

第11章 "根"接触


「ま、追跡スキルも重要だが、逃亡者の心理も重要だって話さ。

追跡スキルが無くたって場合によっちゃ先回りすることもできる。」

「そうか………」

「そういうことだ。さて、二つ目の演習内容に移るか。」

そう言うとシスイは火をおこし、いつ捕まえたのか、魚に木の枝を刺して焼き始めた。


「二つ目の演習って……」

「ああ、野営だ。」

「教本には野営中に火を使うのは厳禁と書いてありましたが、これにも裏があると言うことでしょうか?」

ルナはまた首を傾げた。

「まあ食えよ。お前らは優秀だからな。」

シスイはそう言いながらルナとイタチに魚を差し出した。

「いや、俺なんかまだまだ未熟だ。昼間だって俺にもっとスキルがあったら………」

「私も………」

(サーモグラフィーがなかったら、全然わからなかった……)

二人は魚を受け取りながらも、俯いて呟いた。


「ふふっ、そうだな。」

シスイが少し笑った。

それを見ててイタチはむすっとして頰を膨らませた。

「笑うこと無いじゃないか。」

「ああ、スマンスマン。ちょっと嬉しくてな。」

「何がですか?」

ルナはイタチの怒った顔の可愛さに歓喜しながらも、それを顔に出さずに訊いた。


「俺がお前らに教えることなんて、もう何も無いと思ってたんだ。だけど……」

「今日はいろいろ教えてくださった。」

シスイの言葉の先を、ルナが続けた。

「ああ、それが俺には嬉しかったんだよ。」

シスイはルナの言葉にうんうんと頷いた。


「で、この火は?」

イタチは質問を続けた。

「気を許せる相手と飯を食うのはいいもんだ。

それに温かいものを食えば、少しは気分も晴れるかと思ってさ。

ほら、冷めないうちに食えよ。」

「…………うん。」

イタチはそう言われて、魚にかぶりつき、そして何故かウィンクをした。

(イタチ兄さん、かぁいい!)

ルナはまたイタチの可愛さに歓喜した。


「うん、うまい。」

「美味しいですね!」

「だろ?」

三人は魚にかぶりつきながら笑い合った。
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