第11章 "根"接触
「これは…」
暫くしてイタチが木の枝を一本拾い上げた。
「やっこさん枯れ木を踏んだか。よく気づいたな。だがそいつはダミーだ。」
シスイがイタチの拾った枝を見て言った。
「踏んだ時に折れるような枯れ木にしちゃあ随分水気が残ってる。それになこの切り口。雑な仕事だ。」
「確かに、刃物で切ったようにしか見えませんね。」
「そういうことだ。でも、気を落とすな。苔の跡は動物かもしれないが、ダミーは人間しか作らない。
あの方向にダミーを置くなら………おっ!」
シスイは地面を見渡し、一つの石に目をつけた。
「石?」
「裏が乾いていて表が湿っている。」
「これもダミーの可能性は?」
「可能性はなくもない。でも俺達の追う相手がどのくらい前にここにいたのかこの湿り気が教えてくれる。」
シスイの話を、ルナは真面目な顔で聞いている。
(シスイさん……超忍者っぽい!かっこいい…………)
ルナはますます、シスイに好感を抱いた。
「この匂い………」
イタチは石から漂う僅かな匂いに気づいた。
そして、少し離れたところにある花に踏まれた跡があることに気づき、花に触れた。
「上出来だ。行こう。」
それを見てシスイが言った。