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神隠れの少女【NARUTO】

第10章 下忍の任務


カカシが救出に来たようで、オビトは神威で去っていった。

それを、隠れていたルナの影分身が、神通眼でコピーしていた。

オビトがいなくなると、イタチは真っ先にルナに駆け寄った。

「ルナ!ルナ!」

イタチがルナの側にしゃがみこんで、必死にルナの名前を呼ぶ。


(イタチ兄さん、ごめんね。)

そう思いながらも、イタチが一度絶望するまで、ルナは死んだふりを続けなくてはならない。


「ルナ…………ごめんな…………ルナ……起きてくれよ……なあ…………」

イタチが愛おしげにルナの頰を撫でる。

起きたいのは山々だが、まだ起きる訳にはいかない。


「ルナ………ルナがいなくなったら、俺は…………」

イタチが嗚咽交じりに呟く。

いや、サスケがいるだろ!と思ったが、ルナは言わないでおいた。


「ルナ………」

イタチが呟き、ポタリ、とルナの頰に微かに温かい液体が滴った。


(何だ、これは…………ああ、涙か。)

ルナの方は至って冷静に、目を閉じたまま状況を把握しようとしていた。


「ルナ、ルナ…ううっ…くっ………」

イタチが涙を流し、呻く。

それをカカシは無表情のまま見ていた。


(もうそろそろ辛いから、起きていいかな?)

ルナは怪我の痛みに耐えかね、今すぐに傷を治したい衝動に駆られていた。

イタチはルナの芝居に完全に騙されてくれたようだ。

絶望から写輪眼を開眼し、チャクラの質が少し変わったのがわかった。

(じゃあ、もういいよね。)

ルナが瞬時に傷を塞ぎ、目を開けると、涙を流す赤い瞳があった。


「ルナ………?」

イタチはルナがいきなり起き上がったことに驚いていた。

ルナの方は、目標達成で大喜びだった。が、

(あ、忘れてた!まずい!)

他にも負傷している人がいたのを思い出して、治療に向かった。

「もー、みんな、手伝って!

影分身の術!」

「はい!」

怪我人が思ったより大量にいたので、新たな影分身十人と本体で協力して、重傷人から治療していった。
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