第10章 下忍の任務
そしてルナとオビトの戦いが始まった。
まあ、ルナにとっては強くも何とも無いのだが。
李蘭や那由他との修行を続けるうちに、大抵の体術も忍術も幻術も、一秒もかからず見切れるようになっていた。
ただ、今回はテンマの代わりに、"死んだふり"をしなくてはならない。
李蘭と那由他には散々反対されたが………
「ルナ様、私は反対です!死んだふりで一芝居うつなんて………」
「………俺も。」
李蘭は心配そうな顔をし、那由他の声は心なしか怒りを含んでいた。
「大丈夫だよ。私、そう簡単には死なないんでしょ?」
ルナは二人に、軽いノリで答える。
「そういう問題じゃねえ!俺達は………」
那由他が言いかけた、その先は言わなくてもわかった。
「ごめんね。でもこれは、必要なことなの。わかって。
…………お願い。」
ルナは二人を見つめ、これはどうしても譲れないと、態度で示した。
「しかし………」
それでも二人は食い下がろうとする。
「大丈夫、本当に死にそうになったら、自己再生すぐ使うから!本当にまずくなったら、二人とももう出て来てもいいから。
…………ね?」
「…………わかりました。」
「チッ………わかったよ…………」
そう言うと、二人はやっと、渋々と言った様子で頷いてくれた。
ルナは適当なところで、ガードを甘々にして見せた。
オビトはルナがわざとやっていることに気がつかなかったようで、ここぞとばかりに攻撃して来た。
オビトの刀がルナを引き裂き、口から血が滴った。
「かはっ!」
(いったーい…………まあでも、テンマ君を助けられて、イタチ兄さんが写輪眼開眼できると思えば、なんのこれしき………
…………でも、やっぱり痛い〜!)
テンマとイタチのためとはいえ、怪我の痛みを顔に出さずに我慢するのは、結構つらかった。
イタチに写輪眼を開眼して貰わないといけないので、ルナは素直に地面に倒れた。