• テキストサイズ

それはきっと、幻じゃない。【気象系BL小説】

第1章 まぼろし





漸く収録が終わったのが、日付けをまわった1:00。


貴方と同じ車に乗るために


貴方より先に車に乗り込んで。


貴方のマネには苦笑されて。


貴方が乗ってきて。


無言の冷ややかな空気が車内に充満していても



そんな事はどうだって良いんだ。


貴方を俺のものに出来るのなら。




貴方の部屋に入れば




程よく暖まった空気がそこにあって


まるでそれはあなたの腕のなかのような温もりで



ちゃんと手ぇ洗えよ、ってやっぱり変に几帳面な貴方が好きで


先に部屋に入った貴方が、

一直線にキッチンに行くのもなんだか面白くて



「酒飲む?」


「ううん。とりあえずまだ」


「じゃ、適当に淹れるよ、なんか」


「よろしく〜」



適当になんか、っていう表現がいかにも貴方らしくて


ちょっと笑っていると、


「何笑ってんだよ」


って、隣に座ってきた少し笑ってる貴方に小突かれた。




こんな平和な時間も、愛おしい。







/ 67ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp