第2章 結婚式日和。
だいたい、社長にも恋人はいるのだ。
大野さんと、翔さん。
…いや、三角関係じゃなくって。
ごく普通に、3人で付き合ってらっしゃる。
俺が数年前に事務所に入った時は、すでにそういう関係になっていて。
潤くんは見た目によらず、バリネコらしくて…
大野さんと翔さんに、鳴かされているらしい。
それでも潤くんは、俺に色目ばっかり使ってくる。
…毎晩、それで痛い目にあわされてるらしいけど…
そんなことは俺の知ったこっちゃない。
…でも、興味はある。
それがオトコの性ってもんでしょ?
だって俺、もう1年くらいご無沙汰だぜ…?
ああ、なんだか無性にバカの胸が恋しくなった。
こんなの俺らしくない…よね。
でも、俺だってあの人のぬくもりを感じたくなることだってあるんだよ…。
ああ、早く帰ってこねぇかな…
あと数時間が、待ち遠しい。
「やっぱニノ、今日なんかあんでしょ?」
目ざとく俺の変化に気づいた大野さんに、そんなことを言われても。
「んー…なんか、ねぇ…」
そんなことを素直に答えられる、俺じゃないわけで。
「相葉ちゃんか、帰ってくんの?」
…それでも異常に鋭いのが、大野さんだったりする。